【購入前レビュー】新商品「ATEM Constellation HD」(Blackmagic Design社)

4月下旬に発表されたBlackmagic Design社の新HDスイッチャー・シリーズ「ATEM Constellation HD」。
「世界で最もパワフルなHDライブプロダクションスイッチャー!」を謳い文句に、パフォーマンスの高さや使い勝手の良さ、何よりも手の届きやすい価格帯であることが、配信業界では大きな話題となっています。

特に商品の発表について喜びを見せていたスタッフ二人に声をかけ、フランクな座談会を行ってみました。

Q:
ATEMの新シリーズの発表を受けた、率直な感想を教えてください。

岩田:
自分の期待値はすごく高くて、一番いいなと思ったのは手に入れやすい価格だったことです。
何よりも潔いなと思ったのがHD(1080)までで機能を絞ってきたのがいいですね。その分安価な設定だと思うので4K仕様が必要ないユーザーには嬉しい話です。まだまだ1080は現役ですからね。
もう一つ、コンステレーションはどんな入力も受け付けちゃうってところです。24フレームとか、60フレームとか、どのソースが入ってきても出口を統一できるということが大きなメリットですね。
今まではスキャンコンバーターというコンバーターを入力との間に入れて統一させるんですけど、その必要がなくなった。仕込む部品点数が圧倒的に少なくなりますね。
組んでばらしてを繰り返す自分たちには嬉しい限りです。これで撤収作業がまた早くなる。

東城:
新シリーズに関して一番の魅力はマルチフォーマット入力ですね。
今までは異なったフォーマット信号でソースが来ていた際にスキャンコンバーターを使用したりしていたので……。
具体的に言うと案件によって59.94iのHDフォーマットで統一したいところに60p(3G-SDI)の信号があったりするんですが、それを別の機械で変換する必要があって、それを気にせずにATEMに入力できるって嬉しい事です。
間にコンバーターを追加するの事でリスクも上がりますし、機材費もかかります。
その辺り含めて技術はリスク回避、クライアントは機材費削減といった感じでWINWINなメリットがありますね。

Q:
今回、発表された新シリーズ、今までと何が違うのでしょうか? 製品名の「constellation」はどういう意図があると思われますか?

岩田:
たぶん、この場合の意味は「集まり」って意味だろうね。ジャストなネーミングだと思う。
どんな違うレゾリューションが来ても、全て統一してだせるよ!ってのは大きなメリットだと思うし、なんでも集めてよーとっていうことなんでしょうね。いい名前。

東城:
いい名前なんじゃないですかね(笑)

Q:
ATEMが話題になっていると思うのですが、特に現場ではいかがでしょうか?

岩田:
いや、どうなんですかね。話題になっているんじゃないですか?
ユーザー層としてはYouTuberレベルではなく完全プロユース意識、象徴してるのが一切HDMI端子がないところ。ここも振り切ってユーザーを絞ってきたところも評価できます。《おぉ、やったなぁ》って印象です。

東城:
確かにこれが統一フォーマットになっていきそう。

HDMIでのみの機種が配信やってる人とかには便利で、話題になって一気にATEMの名前広まったと思いますが、PRO UserからはSDIがいいなと。やっぱりなんだかんだで現場はSDIを多用するんで。
この機種が出る前には8Kのやつがあって、でも値段も高価で機能も普段使いにはオーバースペックというか、そこまでフルで使うのってまだ世の中には少なくて。
パネル一体型のやつ(下位機種)もあるんですがこれも痒いところに手が届かない、あともう一歩ってこともあって。
そんなところに出たHDシリーズは余計な機能をなくして、ほしい機能だけを取り入れて価格を抑えてきたっていうのは高評価ですね。
これからPro UserなんかはATEMといったら「constellation HD」ってなるんじゃないですかね(笑)

Q:
新シリーズのATEMを使用して、新たにできることはありますでしょうか?

岩田:
新しいこととしては、アウトプットを好きに選べるようになった。
今までは専用の端子になっていてそれ以外に変えることができなかったのですが、自由に選べるようになった。汎用性が高くなった。
ということは、今までのスイッチャーの機能だけではなくて、コンバーターの代わりとして使う人も増えるんじゃないかなと。
使う人の工夫次第ですね。

Q:
コンバーターの代わりに使用する、というのはどういうことでしょうか?

岩田:
eスポーツとかが特にそうで、例えばステージ上に複数台の機器があるときに複数のコンバーターをつながなくても、そこにATEMを1つポンとおいて集約することで、ステージ上もコンパクトに収まるし、電源もそんなに多くなくて済むし、そういうニーズが増えてくるんじゃないかと思ってます。

Q:
ケーブルの引き回しが少なくなるということでしょうか。

岩田:
電源の取り口がはるかに少なくなるので、すごい便利だなーと思います。

東城:
プログラム(SWのOUTPUT)が1本か2本しか出力できなかったのですが、これが自由に選択できるというのは大きいです。
スイッチャーからはマスターのスイッチングアウトだけじゃなくて、用途的にそれぞれ違う画を出したい時とかあるんですが、アウトが足らないという話は現場あるあるでして。
便利になりますよね!
あと、今までATEMでできなかったマルチビューのレイアウトが何パターンか選べるようになりました。スイッチャーとしては使いやすくなったと思います。

Q:
例えば、どういう使い方が可能になるのでしょうか?

東城:
4面のマルチビューが作れたり、マルチビューを2つ、片方ずつ違う使い方をすることができます。
そういうことも含めてモニタリング画面を構成する自由度も高くなったと思います。

今回は商品が手元に届く前に2人に商品への期待と業界での反応を話してもらいました。
アポロでは、実物を手にしてのレビューも予定しております!
YouTubeに動画コンテンツとしてアップしますので、公開をどうぞお楽しみ!

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