【WORKS】『YAMAHA CFX PREMIUM CONCERT』(撮影・スイッチャー)

2022年5月15日(日)、多摩地区最大規模となる次世代型エンタテインメント施設立川ステージガーデンにて「YAMAHA CFX PREMIUM CONCERT」が開催されました。
ヤマハのコンサートグランドピアノ「CFX」の新モデルの音色が、大々的にお披露目される初めての舞台です。
お客様を入れた会場をオンライン配信も行うため、Candeeはイベントの進行・演出を、アポロ・プロダクションは、撮影・音声・配信を担当しました。
本案件についての取り組みについて今回は、撮影・スイッチャー(SW)を担当した各スタッフに、聞いてきました。
【撮影担当 江口への質問】
Q:
使用した機材を教えてください。
江口:
大判センサーのカメラをメインに据え、会場の広さを考慮してUA107×8.4 BESMという望遠レンズを一台導入しました。
Q:
さまざまなアングルからの映像でコンサートを楽しませてくれました。具体的にはどのように撮影をしていましたか?
江口:
演奏者がピアニスト一人ということで、視聴者が観ていて飽きないようにマルチアングルで撮影しました。
また、会場全体が見えるようなアングルも意識してスイッチングしています。

【撮影担当 宮前への質問】
Q:
スクリーンに多彩な映像が流れていましたが、撮影部分で気をつけたところはありますか?
宮前:
配信でご覧になるお客様は現地に居るお客様と同じようには見えませんが、配信で見て良かったと思っていただけるように意識しました。
もちろんスクリーンの演出を美しく見せるのも大事ですが、「カメラを通すからこそ見られるもの」に価値があると考えていますので、スクリーンの演出に絡めることにこだわりすぎず、ピアニストの表情やピアノを弾く手元を見せるなど、映像としてコンサートを見る価値を高めるような表現ができるようにカメラを配置しました。
Q:
撮影にするにあたってのカメラの選定を行ったとのことですが、今回使用したカメラの選定理由を教えてください。
宮前:
PXW-FS5とPXW-Z450の構成で撮影を行いました。
今回は基本的にピアノとピアニストのみがステージ上にあり、あとはスクリーンと照明の演出だけという「良い意味で」シンプルな被写体でした。
たとえばアイドルグループやバンドなど被写体の多い撮影の場合には、「まずは基本的なカットを作る」と言う工程が複数発生し、大判センサー機よりはハンディカメラやENGカメラ、システムカメラなど「手間の少ない」カメラが適任ですが、今回は「ワンカットに手間をかけられる現場」でしたので、大判センサー機とシネマレンズ/フォトレンズを多めに取り入れました。
また、後方からの寄りカメラにUA107を採用し、「ピアニストの手元」を正面から撮影できるように対応しています。
人間の表情や、正面を向いた楽器(ギターなど)なら、もっとズーム率の低いレンズでも対応できますが、今回はピアニストの手元の画がどうしても欲しかったので、UA107を採用しました。

【SW担当 松川への質問】
Q:
使用した機材を教えてください。
松川:
今回はスイッチャーを2台使用しました。
1台はAV-HS410です。カメラ8台を切り換えるように用い、2台目はAW-HS50です。AV-HS410からのPGMと蓋とスクリーンの映像を切り換えるように使用しました。
緊急事態が発生しても対応できるように、2台構成にしています。
Q:
「ピアノコンサートのスイッチング」というところで、気をつけたところ・見どころを教えてください。
松川:
ピアノコンサートという事で気をつけた所は曲の持っている空気感を感じることです。
アップテンポで爽快感のある曲はワンカットのスイッチングするタイミングを早くしたり、悲しげな曲はワンカットをじっくり見せ、音楽と映像が五感に溶け込むようなイメージでスイッチングをしていました。
見どころはピアノ奏者が演奏する姿、全てです。ピアノを指だけでなく、体全体で奏でる姿に心を奪われました。


次回は、音声・配信を担当したスタッフに、インタビューを行います。
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